私が発信している当Webサイト「今日の気になる言葉123」とブログ「いいコトバ」2006年度更新分から、広告(業界)関連の話題をまとめてみました。
「マンスリー広告批評」向けに書かれたものではないので多少テイストは違いますが、見逃された方はぜひご覧ください。
※表現の領域まで踏み込んだコラムについては(本欄の趣旨と異なりますが)ご勘弁ください。“公には二流”のコピーライターとして、(言葉の問題は別として)クリエイティブの視点からの批評はしておりません。
※ブログの場合に付けている写真は省略しています。
■コラム「今日の気になる言葉123」から。
「 |
あ、 |
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これ、 |
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全部 |
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ユニクロ |
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なんだ |
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よね〜。」 |
と本気で自慢する47歳上司の流行とのズレを語る24歳OL(『サンデー毎日』12.17号)。恐るべし広告の力、と言えようか。 益永みつ枝氏は「ユニクロはモードではない。ただの衣料」と喝破。私もユニクロ嫌いだが、ユニクロのCMはすぐそれと分かる。凄い。
●No.2062/06.12.13
文科省調査の“いじめ”回数は実態と著しく乖離する。“やらせ”のこの政府調査も信用できる訳がないが、タウンミーティングで許される行為では全くない(本日の『朝日新聞』夕刊)。でも、ここに広告代理店の作為はなかったのか、もちろん業界マスコミは追わない。
●No.2061/06.12.12
「 |
運動が |
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嫌い。 |
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つい |
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食べ過ぎて |
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しまう。 |
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続かない |
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。」 |
「忙しい現代人にとってダイエットを続けるって結構大変です」と続く某サプリメント大手のDMコピー。どこにも「普通に動く」という人間の行為を勧めていない(当然だが)。第一「つい食べ過ぎてしまう」原因がなぜ「忙しい」からなのか。“現代人”は歪んでいる。
●No.2060/06.12.11
本日、「Francfranc」で見つけたパーソナル加湿器の色の名称。カラーのネーミングも何度か作成したがこれは新鮮。乾燥が高まっているので寝室用の小さな加湿器を探していたのだが、果たして(寝静まった状態で)音がどの程度なのかで思案し、購入未決定。
●No.2052/06.12.3
の売上高が漸減している(『宣伝会議』11/15号)。理解促進媒体であるという呪縛から解き放たれるべきとしているが、確かに。ニーズを持たない人へ毎日接触できる点も新聞の魅力だ。そしてCMのキーワードとビジュアルをそのまま用いる安易さも避けるべきだ。
●No.2042/06.11.24
と法令順守の意の「コンプライアンス」を呼んだ某メガバンク中堅社員(本日の『朝日新聞』朝刊)。銀行の政治資金再開の記事と絡んでのコメントだが、大企業の皆様はこんな風に略して呼んでいるのだろうか? こんな卑下した言い方では真摯に守る気になれないと思う。
●No.2041/06.11.23
を始め、安倍議員の所信表明演説の具体性のない言葉の羅列を酷評した天野祐吉氏(『広告批評』11月号)。これは原稿を書いた人間が勘違いしているのである。自民党の広報の専門家を気取る世耕弘成議員の仕業かどうか。ともかく政治家の言葉の力が急降下している。
●No.2040/06.11.22
商品やブランドプロモーションのためオンラインで流されるビデオコンテンツのこと(『コマーシャルフォト』11月号)。ここにもテレビの危機がのぞく。ライブドアの堀江さんの公判情報も新聞で得るのみだが彼ならいまどう言うだろう。You Tubeを初めて観た。
●No.2020/06.11.2
がキーワードのAQUOSケータイのCMに金田一秀穂・杏林大学外国語学部教授が言及(『宣伝会議10/1号』)。周囲に本CMを「ヤギ容疑者による広島の女児殺害事件を想起させる」とする意見があり中野翠氏も指摘。だが業界誌はネガティブ記事を一切載せない。
●No.2007/06.10.20
ご存じソニーの企業スローガンを「宣伝会議」(9/15号)で特集している。嘘を言っても仕方ないが、発表当時、私は某社スローガンで全く同じ案を出す寸前で気づいた。It’s a Sonyとは違い、普通に辞書に載っている言葉だ。ソニーは言葉も少し弱り気味か。
●No.1976/06.9.19
「 |
コピー |
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ライターの |
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ホーム |
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ページ |
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って少ない |
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ですね。」 |
と本日訪問した会社のご担当者。 当社以外で「3社しかなかった」と言う。当社では未確認だが、TCC会員の方でも殆ど見あたらないしここ数年それほど増えてはいないと思う。恐らくコピーライターの方の本音は「デザインを外注してまで作るエネルギーがない」では。
●No.1971/06.9.14
購買前・購買時・購買後のそれぞれにおける顧客とメディアの接点について、ヤフーの井上雅博社長とNEC宣伝部長の芝尾淳一氏の対談で取り上げられている(『宣伝会議』8.15号)。インターネットの登場で複雑化しているがマスメディアの役割の漸減は否めない。
●No.1966/06.9.9
と東京工科大学のオープンキャンパス(この言葉は英語圏で理解可)の広告。「ショー」に反応する層に対象を絞れる効果はあり広告的には分かるが、大学選択の場にこの言葉は相応しくはない。少子化に反比例して増加する大学数に学部・学科数。さてその末路はいかに。
●No.1964/06.9.7
昨夜放送の「メッセージ」を録画で見る。故杉山登志氏を主人公にしたドラマで、内山理奈扮する佐和が呟く一言だ。 番組内で杉山氏撮影のCMが流れた。確かに自然で魅力的だ。「嘘のない」にはCGではない、の意も込められるが、 CM制作側の痛烈な自己批判だった。
●No.1955/06.8.29
「 |
ロハスな |
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ニュージー |
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ランド・ |
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ミー |
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ティング |
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。」 |
これ、いわゆる“エコツーリズム”の催しなのだとか(『グリーンスタイル』Vol.06)。確かに自然豊かな地を旅し地球環境保護意識が芽生えることはあるだろう。ならばなぜ「ロハスな」なんていい加減な言葉を選ぶのか。環境を考えた事もないPR会社の仕業か。
●No.1952/06.8.26
「 |
Knock |
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over pins |
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for hot |
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Communi- |
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cations.」 |
ボーリング場の広告で見たとNOVA教師。ピンを倒す英語がknock overと私は知らなかった。つまりこのコピーライターは正しい英語に試みているのになぜ最後が“ホットコミュニケーション”なのか。日本語英語を使っておきながら文法に則っている例も多し。
●No.1925/06.7.30
「 |
アリコ |
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さんは、 |
|
あまり |
|
宣伝が |
|
早すぎる |
|
。」 |
とアリコジャパンの(一種の)テスティモニアル。辛辣な口調で顧客に近い企業姿勢を訴えるが、一般の説明型CMを暗に批判した点が面白い。ある量の情報を伝えるCMの場合、送り手(例えば教師)と状況設定(例えば授業)だけ決めればいい安易な案が多すぎないか。
●No.1918/06.7.23
どうしたんだベルリッツ、このスローガンは。念のためNOVA教師に確認したが、「バリアフリー」は和製英語だった。「見るのは日本人だから」という考え方は間違っていると思う。仮にも英会話学校なのだから正しい英語を使ってほしい。先生にチェックさせないの?
●No.1909/06.7.14
なるCM界の言葉?を「宣伝会議」6/1号で紹介。独特のCMソングとイラストが圧倒的な個性を放った67年制作のレナウンのCMだ。最早こんなCMの革新はあり得ないのか。「小泉以前、小泉以後」。日本人の政治意識の凋落について、この題名で論文を書きたい。
●No.1889/06.6.24
「 |
紅茶は |
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コーヒー |
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より |
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もの |
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たりない、 |
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と思ってる |
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あなたに |
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。」 |
なるキャッチで広告を始めた「午後の紅茶 Special」。我が家は紅茶を10種近く常備するが、私自身はコーヒー党。それにしても消費者調査の臭いプンプンの表現だが、折しも「日本経済新聞」本日朝刊に「想像もしないところに消費者がいた」なる特集記事あり。
●No.1888/06.6.23
となっていたんですか?都内での映画鑑賞から遠ざかっていて知らなかった(『朝日新聞』本日朝刊)。早速、ネットで調べると名称変更は昨年12月。有楽町マリオンにありながら経営難だったとは。スタジアムも映画館も、命名権料で続いてくれればいい話なのですが。
● No.1883/06.6.18
「 |
あなたが |
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選んだ |
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日本の広告 |
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ベスト10 |
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。」 |
とは仲畑貴志氏がクリエイターを採用する際の審査の一つ(『赤の宣伝会議』5/15号)。「選ばれた広告をその人は目指す」が理由だ。私の場合は咄嗟に訊かれても用意していないので失格か。また当社は「広告」より「書くこと」を優先するのでこの審査は少し違う。
●No.1864/06.5.30
と「コマーシャルフォト」6月号にTV番組企画制作会社の求人広告。私もテレビをどんどん見なくなっている。結局、ゆっくり時間をかけて作れないからタレントに世間話やクイズや体験をさせる番組しかできないのだ。一部にいいドキュメンタリーがあるのは事実だが。
●No.1861/06.5.27
ダイエットを謳ったロッテリアの新商品戦略を追った本日の「きょうの出来事」。ポスターに対する玉塚新CEOのこんなダメ出しを受けて変更された決定案に唖然とした。何も変えず上にメニューを入れただけ。作る方はもちろんこれで許す方も、どちらも理解できない。
●No.1838/06.5.4
などという釈明をなぜNHK放送総局長は行ったか。またも明るみに出た架空出張は、コンプライアンスなんて極めて広報的な物言い以前の組織として低レベルで恥ずべき失態。コミュニケーションのプロが何を血迷った言葉を。受信料完納者として落胆どころで済まない。
●No.1815/06.4.11
「 |
(広告は) |
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殆ど見て |
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もらえて |
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ないと |
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思って |
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います。」 |
と佐藤可士和氏(本日の『プロフェッショナル』)。だから「目立つこと」に全力を傾けるという。2年かけて初めてプロダクトデザインに挑んだという携帯電話の売れ行きが楽しみだ。彼の上を行くのが自らをブランド化してしまった糸井重里氏だが、で私は。
●No.1744/06.1.31
なるダイハツのスローガンについて米国人のNOVA教師と話す。正確にはWonderfully Smallで「その辺の歩道を歩いている外国人に訊けばすぐ分かる英語の間違いをなぜするのか」と彼。「グローバルな企業でも間違った英語を平気で広告で使う」と私。
●No.1743/06.1.30
※「Wonderful Smallで正しいのでは?」とのメールをいただき、確かめたのですがやはりWonderfully Smallが正しいようです。「言葉を短縮する傾向のある広告のキャッチフレーズとしても認められない」レベルらしいのですが、文法的にいずれ説明したい と思います。
とり急ぎ、同様の疑問を持たれた方のために。
■ブログ「いいコトバ」から。
広告を仕事にしているアドマンなら、日頃の生活も、
コミュニケーションのプロであれ。
メールで、身勝手なプレゼンで、小難しい資料で、
気持ちの通うコミュニケーションができているなど、
夢々思わないように。
広告の業界誌「宣伝会議」(9/1号)の「未来の広告人へ」という特集での シャープ・ブランド戦略推進本部長兼宣伝部長の北田秀人さんの言葉です。
正直、私も耳が痛い。私が携わる仕事は身勝手なプレゼンとも、 小難しい資料とも無縁ですが、メールはよくします。零細コピーライター 事務所である当社は、クライアント企業と直接話すことが少ないとはいえ、 会える時は会ってコミュニケーションするし、電話で話しますが、 メールはする。もちろんメールは道具の一つで使いようではありますが、
気持ちを通わせたいのなら話さないと。ビジネスでは特に、です。
〔06.9.26〕
だいじょうぶ、
泳ぎ出せばきっとたどり着ける。
求人フリーペーパー「ジョブアイデム」の電車ジャックした広告の キャッチフレーズの一つです。広告文とはいえ、 真実を語っているなと思いました。
27歳で寄らば大樹の安定を捨て、転職情報誌など皆無の時代に 正に手探りで修行時代を生きた私も、ともかく溺れもせず、 泳ぎ出した方角のどこかにたどり着くことができました。
それは、あるいは目指した大陸ではなかったのかもしれませんが。
大丈夫、泳ぎ出せば。ただし、泳ぎきる意志がなければダメです。
〔06.9.14〕