「1月2日水
あさ10時
から初売り
。」
なるキャッチの某百貨店の広告が本日の朝日新聞に掲載。今期は例年よりセールが早いという。利益を度外視し目先の売上に走るが、1月〜3月のより深刻な経済状況を多数が予告する。そごうの指輪7個入り“2億円福袋”の記事に、逆に「大丈夫?」と聞きたくなった。
●No.293/01.12.31
「どっちが
日本的?」
なるテーマでイチロー&新庄、リストラ&脱サラを扱った本日のサンデーモーニングを見て、テレビとはつくづく日本をダメにするなと思った。例えばケント・ギルバートの「現在の日本か、昔の日本か」なる疑問の意味を果たしてテレビ局の人間は理解できるのだろうか。
●No.292/01.12.30
「社長業は
楽しい。」
本日の人間発見に出演したワタミフードサービス社長・渡辺美樹氏の言葉。「会社を大きくすることは、その楽しさを分けていく(権限委譲)こと」とも言う。私は社長と言われるのは嫌い。社長なのに、盛り場の呼び込みに「社長!」と、声をかけられるのはもっと嫌い。
●No.291/01.12.29
「宜しいです
。」
草柳大蔵氏の著作を話題にスタッフと昼食を摂っていたら「宜しいですか? と電話で尋ねると『宜しいです』と応える人が多い」という声が。敬語の風化は、自分の置かれている状況を客観的に把握できない能力に起因する。単なる言葉の荒廃という問題ではないのである。
●No.290/01.12.28
「いまの
お気持ちは
?」
草柳大蔵氏は「きれいな敬語 羞かしい敬語」の中で、被災者にマイクを向けこの言葉で質問するのを禁ずるABC放送の自主的な取り決めを紹介し、これこそが敬語を使う以前の心がけの問題という。日本人は敬語を知らなくなったのではない。心が貧しくなったのである。
●No.289/01.12.27
「5千円割引。」
の券が入った目黒駅前にある中華料理店のDMが会社に舞い込んだ。早速、地元に住むスタッフが利用したが、間違いなくレジで5千円引いてくれたという。他店の2千円割引券もあった。500円割引など当たり前。こんな割引サービス、少なくとも去年まではなかった。
●No.288/01.12.26
「ベテランの
小野が7回
まで。新人
の吉井が。」
今夜のプロ野球ってナンだ!? で吉井投手が語った近鉄時代の思い出。2人で完封リレーした小野(和義)投手とは同期なのに見た目だけでベテランと新人に分けたマスコミのいい加減さを笑う。「2年目でベテランだった」(小宮山投手)など各選手の本音が楽しかった。
●No.287/01.12.25
「死もまた
個性である
。」
なる一文と共に今年没した50人を紹介した週刊文春(12/27号)。我が愛する古今亭志ん朝(63)に、蟹江ぎん(108)張学良(100)中村歌右衛門(84)三波春夫(77)、久和ひとみ(40)河島英五(48)。( )内享年。70代でさえ早い気がする。
●No.286/01.12.24
「ブノワトン
。」
という名のパン屋が妻の実家近くにあり、数誌で“日本一”に輝いて全国各地から買い求めに来るという。こんな伊勢原の田舎に? 通常15時では売切れという義母の声を背に向かうと運よく3千円ものパンを購入。国産小麦の石臼挽き長時間発酵、味と場所とは関係ない。
●No.285/01.12.23
「愛する人は
ひとり。」
日本経済新聞本日朝刊で世界貿易センタービルのテロ事件で夫をなくした女性の談話を紹介。この後「六千人が三千人になったからといって悲しみは同じ」と続く。二重計算のミス等で当初6千人と発表された犠牲者は半減したらしい。それにしても自衛隊は何をしたのか?
●No.284/01.12.22
「フィンガー
フード。」
ブルータス(1/1・15号)でひと皿完結料理を特集。この言葉はプチケーキの如く装飾された3cm四方の料理のこと。パーティー料理より繊細だが和菓子の域にはまだ。そう言えば先日、フレンチの前菜の前にひと口出されたハムのムースのカナッペもおいしかった。
●No.283/01.12.21
「セル生産。」
日本経済新聞本日朝刊でこの言葉を紹介。短時間の単純作業を多数で行うコンベヤー生産に対し、1つのセル(細胞)=生産工程を複雑な作業を行える少数で分担する。中国の脅威が喧伝されるが、この高度な生産様式こそ日本の工場が復活する道とか。人材養成は急務だ。
●No.282/01.12.20
「衝撃の事実が
あった。」
と大声を張り上げるので何かと思えば、ありふれた失敗や少々奇異な服装を堂々と見せるテレビの言語感覚麻痺は著しい。「驚きの結末があった」のなら驚かせてほしいが、本来は「実はこんな結果だったんです」的なコメントが似合いの映像で、見せられる度にストレス。
●No.281/01.12.17
「そんな日本語
はありません
。」
本日のサンデージョッキーで秋山隆アナが、かつて百貨店から寄せられた質問に対し答えた一言を紹介。その質問は「お名前様という言葉は使ってもよいか」というもの。住所を「おところ様」と言うに及んでは、最早、百貨店の言語感覚は狂っているとしか言い様がない。
●No.280/01.12.16
「高くはない
。」
本日のブロードキャスターで永田町勤務のOLが150万円のボーナスに対して自嘲気味に答えた一言。ある調査ではサラリーマンの平均ボーナスは76万1300円とか。こんなOLを生産した社会も問題だが、たかがボーナスが支給されない位でマスコミは騒ぎすぎだ。
●No.279/01.12.15
「ご飯の
オープン
サンド
だね。」
本日のラジオいきいきクラブで 国際会議の同時通訳を務める米原万里氏著「ガセネッタ&シモネッタ」を朗読。これは寿司屋に案内したロシア人がつぶやいた一言。おでんを“洋風ポトフ”とするのは有名だが、訳に苦心する際の日本語と外国語の関係もとても面白かった。
●No.278/01.12.14
「ほら、恐竜の
頭のところ
。」
本日、田園都市線車両は「ほっと石川」キャンペーン広告で埋め尽くされた。車中のある会話。「石川ってどこにあるの?
東北?」「違うよ、ほら恐竜みたいなとこの頭のところ。」能登半島と言ってほしかったが、これでも現在の日本ではレベルの高い会話であると思う。
●No.277/01.12.13
「総合学習
何する?」
朝日新聞本日夕刊はこう題し文科省が開設予定の総合的な学習支援Webを揶揄。もちろん国が教師に情報提供するのは、本来自由な総合学習の理念に反するとも取れるが、見学施設や講師の紹介はごく自然な情報提供であろう。もっと根本的な欠点に紙面を割いてほしい。
●No.276/01.12.12
「ろくでもない
人生でも
たまには
美しい。」
本日発売のサンデー毎日で中野翠氏は、40代の売れない俳優の友人から届いた手紙の一節を紹介。年収が100万に満たず正月早々に父をなくし体重が7kg減った彼も、例えばヤンキースに敗者の美を感じる歓びに勇気づけられる。たまの美しさに私も生かされている。
●No.275/01.12.10
「画期的21世紀
対応商品。」
なる言葉で結ばれ、「天然繊維を超えた高機能素材」で「人間のからだが要求する生理的快適性」を付加した下着を300円で買う。まさに商品価値を混乱に陥れるデフレの世。別のスーパーでは、人参3本が50円。インスタント食で暮らすのは決して節約生活ではない。
●No.274/01.12.9
「パンフレット
を 配って、
学校の先生に
頭を下げて
回るのなんて
もうやって
られない。」
と言って1年もたたずに辞める旅行会社の新人(e+B 1月号)。しかしこれは旅行会社の営業なら当然の仕事だ。最近取材した某大学教授も「思った通りの仕事でないとすぐ辞める」と嘆いていた。もちろん高給にこしたことはないが給与偏重のマスコミにも責任がある。
●No.273/01.12.8
「サラリーマン
読み
できないん
ですよ。」
今朝“サラリーマン”達のこんな会話を聞いた。新聞を縦に二つ折りにして読む満員電車の作法を指すのだろう。某エッセイストはこの光景をサラリーマンの悲哀的に書いていたが、何たることか。これは当然のマナーであり、もちろんサラリーマンに限ったことではない。
●No.272/01.12.7
「午年の馬暦
。」
サラブレッド血統センターの「ホースマンカレンダー」を前の午年以前から愛用している。ターフを駆ける栗毛や鹿毛の美しさもたまらない。そこへいくと、ここ数年のJRAのCMは大っ嫌い。競馬や馬の魅力が伝えられていない。入場者だって下降しっ放しじゃないか。
●No.271/01.12.6
「常夜鍋。」
オレンジページ「冬においしい献立」にあったこの鍋の名は、毎日でも飽きずにおいしく食べられるのが由来とか。煮立った煮汁(水4、酒1/2カップ、塩小さじ1/4、にんにく1片)にしゃぶしゃぶ用豚肉、ザクザク切ったほうれん草、薄切りの大根を入れポン酢で。
●No.270/01.12.5
「ゴオール。」
日本経済新聞本日朝刊でスポーツ実況に言及。この言葉の連呼は坂田・東京ヴェルディ社長が勧めたと初めて知った。やはり大声実況に終始した世界陸上の担当者は「でも数字は取れている」と開き直る。ボンズの71号の瞬間、実況は「しばし無言を貫いた」というのに。
●No.269/01.12.4
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