「無個性を
売り物にして
いるが、
無個性の
おかげで
着ている人が
みんな同じに
見える。」
とは週刊東洋経済11/3号中の非公式コメント集の一言。実は私はまだ一度もユニクロに入店していないし今後も入店する気はない。商品を部品と言う同社の考え方が好きになれないからだが、既に国民の8割がユニクロホルダーという現実には無力な異端者でしかない。
●No.238/01.10.31
「神戸に
『のぞみ』は
ある。」
福岡出張で見たJR西日本のポスターのキャッチ。10月1日から新神戸に「のぞみ」毎日34本停車とある。この「のぞみ」というネーミング、JR東日本にも確か「ニッポンに『のぞみ』あり。」というキャッチがあったように、広告への転用に極めてマッチしている。
●No.237/01.10.30
「帰宅部。」
本日の日曜ラジオマガジンで女優・田中美里が自らの高校時代を語った際のこの言葉を、男性アナもエッセイストの永千絵も分からなかった。私はもちろん知ってはいるが、この意味を理解できる境界線は何歳位なのだろうか。情報感度にもよるのだろう、気をつけないと。
●No.236/01.10.28
「ネタ袋。」
と称したA6・140円のノートを取材メモ・思いつき・夢・買い物リストに使っていると荻野アンナ氏(日本経済新聞本日朝刊)。作家でこの種の手帳を持つ人は多く、書く仕事の私も60×93cmの「ネタ帳」なるノートを持つ。こんな手帳の雑誌特集も面白いかも。
●No.235/01.10.27
「納得が
いかない。」
で始まる日本経済新聞本日朝刊の春秋は「狂牛病対策に千五百億円ほどの国費をつぎ込む」農水省の不始末に苦言。それを言うなら与党三党の中選挙区復活、忘れたふりの外務省機密費問題、首相自ら筋が通らぬと宣う自衛隊派遣と、小泉内閣のいい加減さには呆れかえる。
●No.234/01.10.25
「エイジアン
スイーツ。」
昨年11/15の本欄で「アジアン」を皮肉ったが、Hanako10/24号でこう記していた。英語の発音に近く多分このままで通じるだろう。同じく本欄で「スイーツ」の唐突さにふれたが、甘い物の種類が加速度的に増加するなか、この言葉は既に市民権を得たか。
●No.233/01.10.24
「買わないよ
。」
本日朝、9時中央林間駅発の田園都市線車内に20代らしき夫婦あり。妻の方が1分間に3回口にしたのがこの言葉だ。ご亭主がパソコンの新機種について語っていたのを「それを彼は買いたがっている」と誤解した彼女の必死さが面白かった。男女の間には深い川がある。
●No.232/01.10.22
「動かない。」
から紙芝居が面白いと言った東京・西早稲田の小学生。本日のザ・ノンフィクションは、都内に住む3名の紙芝居人生を綴った。当の小学生が目にした演物は「国定忠治」。時代背景など分かるはずもないのだが、少年の目は確実に輝いていた。アナログ文化は不滅である。
●No.231/01.10.21
「モノを創造
する人間は
両方の
原理を持って
いるから
タカラヅカに
惹かれるのは
当然だね。」
ブルータス11/1号で横尾忠則氏は、こう言って宝塚歌劇を観る男を表した。「その男性の中に女性原理があるか、ということ」が男がヅカファンになるかどうかの境界線だという。私も実は紫苑ゆう以来の星組ファン。敬愛する氏にこう言って頂くと心強い限りである。
●No.230/01.10.19
「今回は
コンペ合格
という祝い事
につき15万で
請求して
ください。」
当社がおつきあいしている某プロダクションの女性社長が言われた言葉。ちなみに当社からの見積りは8万円。見積りがほぼ倍増になるなんて経験は初めてだ。暗く世知辛くなるばかりのご時世に発せられたこの言葉に、私は一瞬で酔った。氏の心ばえ、見習いたいものだ。
●No.234/01.10.18
「ご迷惑を
おかけします
ことをお詫び
致します。」
JR山手線は今日、メンテナンスのため京浜東北線のホームも使用している旨を放送していた。しかしメンテナンスは必要不可欠のもので「お詫び」には及ばないし「ご迷惑」でもない。信号故障と同じ言葉で伝える鈍感さが嫌だ。「ご協力ありがとうございます」でいい。
●No.233/01.10.17
「2001国連
文明間の
対話年。」
朝日新聞本日夕刊で国連大学のポスターにあるこの言葉を引用。「テロには交渉は無駄」との見解がアフガン攻撃の源にあるが、「テロは戦争で解決できない」もまた真実ではないのか。タリバン兵の「日本はヒロシマ・ナガサキを忘れたのか」なる言葉にも複雑な心境だ。
●No.232/01.10.13
「完全閉店。」
本日、靖国神社信号前の洋品店の店頭で目にした言葉。「店じまいセール」とかを長期間やっていたのだろうか。店主の口惜しさが見えるようだ。百貨店の夏はよかったらしいが、このところ小売業ではいいニュースを聞かない。狂牛病で、牛丼の売上げにもブレーキとか。
●No.231/01.10.9
「はいしゅつ
致しました
。」
未明の米英による空爆開始を受けて、アフガニスタン・パキスタンの在留邦人の安全確保について語った田中真紀子外相は「〜という訓令を“はいしゅつした”」と語った。「排出」でも「輩出」でも誤り。実力不足・勉強不足を指摘される氏だが、日本語もたどたどしい。
●No.230/01.10.8
「本日の
お目玉
商品。」
本日、地元大和市中央林間のスーパーで聞いた言葉。「お目玉」は叱られることの意で、目玉商品を丁寧に言えばいいというものではない。同じくクリーニング業大手では「お仕上げ」と言うが、サービス用語にすべて「御」を付けていたら収拾がつかなくなるではないか。
●No.229/01.10.6
「コンサル。」
最近、コンサルティングをこう略す。品質への信頼性を疑いたくなる言葉の響きだ。「パソコン」なる響きもちゃちで、言うたび罪悪感を感じるので、パーソナルコンピュータという単語さえ私は時折使う。言葉は簡略化すると粗悪な感じになるがその傾向は増すばかりだ。
●No.228/01.10.5
※ちなみに本欄では字数の関係上「パソコン」という表現を用い
ています。
「安全を
担保に。」
という条件で自衛隊を派遣と今朝のとくダネ!の解説員。これもおかしい。「自衛」するからには危険は付き物で、いま問われているのはその「自衛」の定義であろう。危険なのだから、派遣するなら武器使用は当然なのに法律は違うという。いずれにしても私は反対だが。
●No.227/01.10.2
「古今亭
志ん朝急死。」
夕刊フジの短冊POPのこの言葉に愕然とした。古典落語を趣味として29年、ずっと最も好きな噺家だった。江戸っ子を体現できる唯一の人だった。上に小さん、下に小朝がいるが円熟の芸は当代随一だろう。「最後の食卓で鰻が食いたい」という夢は叶ったのだろうか。
●No.226/01.10.1
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