2004年3月分

「母親の
 一番の
 仕事は、
 子供の
 生命を守る
 こと。」

と一児の母である当社税理士さん。回転ドアの事故で子供の命を失った母、そして横浜ランドマークタワーの同様の事故で訴訟を検討する母に向け、先輩“母”は「私は子供の手を絶対に離さなかった」と。私は先日、電車の前方ホームの端で平然と写真を撮る母子を見た。
●No.1055/04.3.31







「訴訟が
 多くなって
 みんな
 へとへと
 。」

と川端幹人「噂の真相」副編集長(昨夜の『ニュース23』)。休刊記念別冊で岡留安則編集兼発行人は「後継者がいなかった」と述べているが、プライバシーという名による言論統制は何かが違うと思わざるをえない。そして反権力メディアが日本から完全消失する恐怖。
●No.1054/04.3.30







「トラウマを
 見つける
 ことで
 不安定さの
 理由だと
 納得し、
 安心を
 得ようと
 している
 。」

と香山リカ氏(『アエラ』4.5号/26歳のハローワーク)。「好きだと思うことが、ちゃんと好きなのかどうかわからない」から不安定らしい。私にも好きな事はたくさんあった。でも、その中で僅かばかりの資質を自分の中に見出しその道に進むしかないのだ人間は。
●No.1053/04.3.29







「自分の
 スタイルを
 壊す。」

そのために努力し続けていると古舘伊知郎氏(昨夜の『トーキングブルース16th』恋してみました)。スポーツ実況が殆ど“古舘節”になるなか、本人は脱皮へもがいている。自己陶酔の喩えに時間を割くなら、選手の調子や表情を的確に伝える技術を発揮してほしい。
●No.1052/04.3.28







「心から
 お詫び
 申し上げ
 たいという
 風に思って
 おります
。」

と、六本木ヒルズの回転ドアで幼児が死亡した事件の謝罪会見における森ビル・鈴木武巳常務。吐き気がするほど無能で心通わぬ言葉遣いだ。「思って」いるだけだから既に「心から」ではない。古きよき街並を喪失させ無機質なビルを創りあげた卑しき心根が表れている。
●No.1051/04.3.27







「安楽死。」
と書いて「やすらい」。とらやで4月1日〜15日まで限定販売の春の和菓子(『サルース』4月号)。京都市の今宮神社で毎年4月の第2日曜に行われる「安楽死(やすらい)祭」にちなんで名付けられたとか。ピンク色が鮮やかだが、今年の日本列島の春は足踏み状態。
●No.1050/04.3.26







「ホール
 フード。」

を「ブラーヴァ!」創刊号で提唱。「人間が頭のてっぺんから足の先まで余分なものはひとつもないように、生きているやさいにも余分なものはないのです」とタカコ・ナカムラ氏。概念が悪用されているスローフードと比べ明確。妻はいま大根の皮を保存し料理を思案中。
●No.1049/04.3.25







「編集の
 自由。」

が無条件で放送事業者に与えられているのがおかしい。「問われる戦時性暴力」の企画内容無断変更への訴訟(『朝日新聞』本日夕刊)に対する感想だ。NHKは被取材者に無断で企画内容を変更しており人間同士の約束事としてあってはならぬ行為。正義はここにもない。
●No.1048/04.3.24







「警備を
 強化して
 います。」

なるテロ対策の車内アナウンスが始まったJR東日本。東急田園都市線は本日からゴミ箱を撤去していく由。と言っても自爆テロは防げぬと危機管理専門家。「私を支持しているのだから覚悟はあるはず」なんて小泉に言われてまで支持する日本国民よいい加減にしてくれ。
●No.1047/04.3.23







「先ほど
 起きました
 人身
 事故で。」

今朝7時半過ぎに起きたJR横浜線の人身事故でアナウンスは繰り返しこう述べた。月曜日の朝、止まった電車に30分以上も押し込められた乗客にとってそれは“先ほど”ではない。運転再開までの時間を短く印象づけたい意識は明らか。明確に起きた時刻で言うべきだ。
●No.1046/04.3.22







「燃やせる
 ゴミの
 約40%が
 生ごみ。」

と訴える「広報まちだ」3.21号。しなびた野菜や品質保持期限を過ぎた手つかずの食品の無駄を指摘し計画的な買い物と食生活を促す。我が家も冷蔵庫の隅で食品を腐らせる愚をつい冒す。できる限りの分別と買い物袋の使用など努力しているつもりだがまだ足りない。
●No.1045/04.3.21







「とうとう
 来ました、
 土曜日
 です。」

で始まった本日の「ほぼ日刊イトイ新聞」今日のダーリン。糸井重里氏に比べれば私の忙しさなど次元が違うが、この言葉に共感。土曜日の名は人類に畑作を教えた北欧神話の神・サトゥルヌスに由来する。自分自身の未来に種を蒔くために、今日は自分の文章を書こうか。
●No.1044/04.3.20







「国旗・
 国歌に
 正しい
 認識を持ち
 尊重する
 態度を
 育てる
 ため。」

東京都教育委員会は国旗・国歌の掲揚・斉唱など卒業式細部の実施指針を通達した(『朝日新聞』本日夕刊)。私は日の丸・君が代への単純な批判は本末転倒と思うが、狂った教育行政を放置したままこんな通達を出す意味がどこにあるのか? 呆然とするしかない低レベル。
●No.1043/04.3.19







「遠回りの
 よう
 だけど、
 彼らの
 気持ちも
 受け止め
 なければ
 。」

と明石散人氏(本日の『毎日新聞』夕刊)。彼らとは北朝鮮を指す。「首脳会談における拉致問題に家族という案件を組み入れなかったのは日本側のミスだ」とも。私が批判する首脳会談での小泉の逃げ腰と過ちをより鋭く喝破してくれた。この意見が少数である事が恐い。
●No.1042/04.3.18







「総合という
 には
 鶏への
 ワクチンの
 接種問題
 など、
 漏れている
 課題も
 少なく
 ない。」

と政府の「鳥インフルエンザ緊急総合対策」を批判した本日の「日本経済新聞」朝刊社説。小泉議員はよく「総合的に判断する」と言うが、そもそも判断とは総合的な行為。彼の場合「ブッシュや族議員の声を聞いて」総合的に判断するという意味で日本語が間違っている。
●No.1041/04.3.17







「ひとりで
 握ると
 武器
 ふたりで
 握れば
 挨拶
 言葉より
 先に。」

とは瀧本幹也氏の握り拳の写真に配された谷川俊太郎氏の“ことば”(『広告批評』3月号)。まるでコピーのように、気付きそうで気付かない状況を掬い取る技はさすが。若者達の拳がカルシウム不足で傷みやすくなっていると嘆いたのは齋田ボクシングジム会長だった。
●No.1040/04.3.16







「スペイン
 野党
 勝利。」

を報じた「朝日新聞」本日夕刊トップの見出しを見て愕然とした。「米国との協調なくして他国との関係も築けない。テロを恐れず断固戦う」という自分可愛さの小泉の暴論に騙され支持する日本国民よ、正義なきイラク自衛隊派遣を続けテロの脅威を甘んじて受けるのか?
●No.1039/04.3.15







「700度の
 火を
 持って、
 私は人と
 すれ
 ちがって
 いる。」

昨日からですか? JTがこのキャッチフレーズでテレビCMと交通広告を露出させ新聞広告でも喫煙マナーを訴え始めたのは。確かによくやってくれたと思う反面、果たして歩きタバコを未だに続けているような人間が言葉に心を動かされるだろうかと不安になる私でした。
●No.1038/04.3.15







「涙は
 心の
 おクスリ
 でした。」

なる見出しで、感情が高ぶると分泌されるホルモンを排出し意識を正常に戻す喜怒哀楽の涙の働きを説明した「無印良品 誌」Vol.3。昨日、相模大野店で入手したPR誌だが「水」を題材にした見開き1テーマ1写真の32頁でPRは僅か2箇所。企業の余裕を感じた。
●No.1037/04.3.14







「葱が
 とろけて
 絡まった
 白滝。」

つまり肉汁が出て煮詰まったすき焼きにこそ残り物の福があると池波志乃氏(『遊歩人』2月号)。我が愛する故古今亭志ん朝師の姪だが、これほど文章が達者とは。夫・中尾彬氏との関係をすき焼きの食べ方と絡め描く筆が巧い。人生にも味わいがある事を年と共に知る。
●No.1036/04.3.13







「ビジネス
 モデル。」

という言葉の使い方が気になる。今朝の「ウォッチ!」で羽生健二氏は、女性下着の販売も始めたユニクロの商品戦略を「新しいビジネスモデル」と表した。そもそも特許との関連で語られ始めたこの言葉はいま、単なる新分野への進出にも使われる。言葉に鈍感だと思う。
●No.1035/04.3.12







「女の子は
 悪く
 なった。
 男の子は
 純情と
 いうか、
 ヘボく
 なった。」

と島田紳助氏(『毎日新聞』本日夕刊)。「キスだけじゃイヤッ!」の司会を7年務めたうえでの感想だ。多摩川の鯉の7割がメスなる事実が発表されたのは97年。環境ホルモンは生物の生殖機能を破壊しオス化も誘発する。単なる現象ではない。人類の危機なのである。
●No.1034/04.3.11







「スロー
 フード。
 スロー
 セックス
 。」

なる言葉で訳の分からぬ記事を掲載した「フラウ」3/23号。“自分に正直なセックス”とやらをスローセックスと定義するのは勝手だが、私が気になるのは「スロー」の安易な用い方。「五感を全部使う」なる定義だけがスローじゃない。文章を書く者として軽蔑する。
●No.1033/04.3.10







「負け将棋に
 勝つのは
 誰にでも
 できるが、
 勝ち将棋を
 間違いなく
 勝つことは
 難中の
 難だ。」

とは将棋の木村義雄・十四世名人の言(『経営者会報』臨時増刊)。古来この種の名言は多い。日常業務で“詰め”の重要性に気付かされ反省させられる事は多々ある。手抜き、油断など心の誘惑に勝ち、面倒でもともかくきめ細かな「確認」を怠ってはならぬと強く思う。
●No.1032/04.3.9







「信じがたい
 不条理な
 ことが、
 向こうから
 次々に
 押し寄せて
 くる感じ
 なのだ。
 理非曲直の
 観念が
 次第にマヒ
 してきた
 のか。」

と恐れる岩見隆夫氏(本日発売の『サンデー毎日』)。理非曲直とは、道理に適うか適わないか正しいか正しくないかを意味するが、正しくその観念が麻痺するが如き不条理に満ちた現世。なおかつ処方箋がない。小泉支持率が上がっているそうだ。節穴ばかりの日本国民。
●No.1031/04.3.8







「(生産性が
 )上がって
 いかないと
 (年金は)
 もた
 ない。」

と津島雄二・自民党税制調査会会長(本日の『報道2001』)。少子高齢化で年金は破綻するという説に答えたのだが誰も納得せず。「人口が減った分は生きている者が補え」とでも言いたいらしいが全くの暴論。結局、国の年金は不要とする意見に最も説得力があった。
●No.1030/04.3.7







「アルコール
 を飲ま
 ない。
 クラブ
 ハウスで
 携帯電話を
 かけ
 ない。」

などルール徹底を宣言したヴィッセル神戸I・ハシェック新監督(本日の『日本経済新聞』朝刊)。「プロなら当然」と語る監督の考え方に比べ先日、夜間外出をした日本代表候補選手の幼児性は何だ。あらゆる緩みは全て一つの重大な日本の危機につながっていると思う。
●No.1029/04.3.6







「テロリスト
 の方が
 有利だ。
 いつでも、
 どこでも、
 あらゆる
 手段で
 攻撃が
 できる。」

と、イラク国内のテロ封じ込めを不可能と断じたラムズフェルド米国防長官(『朝日新聞』本日夕刊)。寝惚けているとしか言い様がない。そんな状況を作り出したのは一体どこの国か。戦死者は毎日のように生まれ、治安は悪化の一途。ところで、世界は安全になったの?
●No.1028/04.3.5







「青春は
 2度と
 帰って
 来ない
 ぞ!」

と、本日11時前後、大声で「冬物一掃!革手袋300円」の客寄せをしていた東京・渋谷地下街の店員。その声の出し方と言い回しが応援団員風だったのが気になり何を売っているのか近づいて確認してしまった。「我が○○大学はぁっ」の乗りで推販。さて売れ行きは?
●No.1027/04.3.4







「就職活動
 では、
 出版社を
 歩いたの
 ですか?」

と、電話口で求人応募者に訊ねた。彼女は「歩いた?」と怪訝そうに訊き返した。「歩く」に“何かをして回る”という意味がある事は辞書を見ても分かる。もちろん面接はしなかった。日本語は、いや広く言語は今後、いかなる位置づけに成り下がっていくのであろうか。
●No.1026/04.3.3







「児童虐待
 防止法。」

の改正が与野党一致で進行とか。虐待の疑いがある際も国民に通告を義務付けるらしいが、もう日本人の未来は絶望的に歪んでしまった。こんな事しても狂った親達は続々生まれる。一方で少子化を叫ぶが、できちゃった婚で我が子をビデオであやす母親を認めていいのか?
●No.1025/04.3.2







「野球には
 続ける
 ことでしか
 味わえない
 奥深さが
 ある。」

と、野茂英雄投手(本日の『日本人メジャーリーガーの群像』)。米国独立リーグ「エルマイラ・パイオニアーズ」オーナーの一人としても知られるが、日本で入団テストを行い将来の大リーガー育成を目指す意気に敬服。続けることでしか味わえない体験は文章にもある。
●No.1024/04.3.1
※川中紀行のブログ「いいコトバ」もぜひご覧ください。

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