2001年1月分

「大概の
 ことは
 うまく
 いく。」

日本経済新聞本日朝刊で樋口廣太郎氏の私の履歴書が終了。言葉の宝庫のような文章から「声が大きくて、ニコニコと明るく元気で、チョッピリ知性があれば、大概のことはうまくいく」を選ぶ。天性のポジティブシンキングの人だが「チョッピリの知性」の真意はどこに。
●No.68/01.1.31







「信沢さんの
 妻から。」

日本経済新聞本日朝刊・交遊抄は民主党の水島広子議員。信沢さんなる友人の奥様をこう表現している。差別用語とも言われる「奥様」を敬遠したのだろうが、日本語にはWifeの直訳はないに等しい。だからと言って、人様の妻を「妻」と呼び捨てにするのはやはりおかしい。
●No.67/01.1.30







「スイ
 ーツ。」

昨日の東京FM・サウンドアドベンチャーで松任谷由実は甘い物の代わりにこの言葉を用いた。Sweetsの日本語読みなのだが、一般化していない英語を唐突に会話に入れ込むのはいかにも奇異。ファッションリーダーとしての自負は分かるが、これでは“長嶋英語”と変わらない。
●No.66/01.1.29







「21世紀
 出陣
 弁当。」

昨日のウォッ!チャで紹介のJR東京駅人気No.1弁当。竹編みを模した弁当箱に(勝ち)栗や幟に見立てた田楽などお菜ぎっしり。出張時にウケるネーミングとおふくろの味感覚が好評だとか。だが最も気になったのはモニター監視で各売場の弁当在庫を分散するハイテクさだ。
●No.65/01.1.28







「DO    
 YOU
 RE-
 MEMBER
 ME?」

常盤貴子主演のカバチタレ!!(昨夜)のテーマソング。キタキマユが歌うこの曲は岡崎友紀の80年のカバー。30代以上でないと知らぬ名だろうが我々の世代だと30年前のトップアイドル。何か彼女が「私を覚えてる?」と歌っているみたいな気がして、今日の言葉はこれに。
●No.64/01.1.26







「ブランド愛
 止まら
 ない。」

昨日の朝日新聞朝刊の見出し。ルイ・ヴィトン松屋銀座店の1日の売上げが5千万を超え他の売場全体の額を上回る日があったという。世界のブランド市場の3分の1を日本が占めるという異常事態を川島容子氏は「みんなと同じ物を持ちたいという流行現象」と喝破した。
●No.63/01.1.25







「飯食いに
 行くぞ。」

当社は大仁田厚さんとあるご縁があるのだが、昨日発売のぴあに彼の20歳当時の米国修行体験。試合で彼を傷めつけた現地の“おっさん”レスラーが控え室に来てこう言い腹いっぱいステーキをごちそうしてくれたという。世代も国境も真剣勝負で分かり合えると主張する。
●No.62/01.1.24







「一つの
 カゴに卵を
 盛るな。」

昨日発売のサンデー毎日にT.F.マッカーシー・アドバイザーテック(金融商品情報提供会社)会長の取材記事。これは分散投資を表現した欧米のことわざだが貯蓄オンリーの日本人の資産運用意識が変わった時、銀行にさらに危機が迫る。あぁペイオフ解禁まで、あと15ヶ月。
●No.61/01.1.23







「今後とも
 何か
 あったら
 おっ
 しゃって
 くだ
 さい。」

定食の「大戸屋」厚木店で「ご飯が固いので取り替えてくれ」と言った知人が店員に言われた言葉。昨夜のサンデージャングルでもこの会社が取り上げられていた。日本マクドナルドの藤田社長が次代のライバルと見ているのが定食産業とか。少しの工夫が、成長を分ける。
●No.60/01.1.22







「いっぺんに
 二階には
 飛び上がれ
 まへん
 で。」

日本経済新聞本日朝刊・私の履歴書で樋口廣太郎氏が「何事もいっぺんに二階には飛び上がれまへんで」という故松下幸之助氏の助言を紹介している。樋口氏がアサヒビールの社長になった頃の話だ。焦りは禁物という経営の心得を示したものだが、人柄がよく現れている。
●No.59/01.1.19







「お忘れ物が
 ござい
 ます。」

某大手銀行が通帳記帳を自動化した。古い通帳を入れ表紙を指定すると、まず新しい通帳が出る。古い通帳を待っていると「お忘れ物がございます」という音声。新旧の通帳を勝手に別々に出すシステムにして、その言い草はないだろう。何か、根本的な配慮に欠けている。
●No.58/01.1.18







「書くものは
 すべて
 創作。」

の姿勢で芥川賞を受賞した堀江敏幸氏の「小説という形でしか表現しない人が小説家とすれば、言葉を素材にして何かを作り上げるという意味で、僕は作家」(朝日新聞本日朝刊)という言葉が、コピーライターの資質をコピー以外に使う場を求めている私の目をとらえた。
●No.57/01.1.17







「100文字
 レシピ。」

本欄の123文字に対抗するかのようなこのタイトル。1メニュー100文字で書かれた料理本なのだが、装丁は赤地に白窓のタイトルのみで電車でも読める単行本感覚がいい。各レシピ名もシンプルで本当に料理がしたくなる内容である。オレンジページ発行。定価1,500円(税別)。
●No.56/01.1.16







「新関脇の
 挑戦を
 受ける
 カタチ。」

昨日の大相撲中継「貴乃花・若の里」戦の立ち会い前、実況は「新関脇・若の里の挑戦を受けるカタチになります。」と言った。“カタチ話法”(PRESENT MAGAZINE参照)がついにここまで来た。一昔前なら「〜挑戦を受けます。」であったはず。NHKはこのアナを注意しないのだろうか。
●No.55/01.1.15







「メロンパン
 とカレー
 パン。」

10日のはなまるマーケットで紹介された町田市・グランベリーモールの「クイーンアリス」。義妹が勤めるこの店のメロンパンとカレーパンが昨日、大人気となりスタッフ総出で製造に追われた。ケーキ等も画面に映ったモノだけが売れたという。テレビの力、まだ侮れず。
●No.54/01.1.13







「会社の
 哲学を
 勉強
 し直す。」

ファッション販売2月号の柳井ファーストリテイリング社長の言葉。他社の物真似では企業は生き残れないと説く。ユニクロの成功以後、既存店舗がこぞって“カラー展開ベーシックMD”を真似た現状はいかにも情けない。「企業哲学」井深さんも松下さんもそこが違った。
●No.53/01.1.12







「B型に
 なりたい
 A型の
 女。」

フラウ(1/23号)で「成功するのは、B型になりたいA型の女」の記事。自分と対極にあるB型の一面を評価できる冷静なA型の女の能力を支持している。大胆と細心、楽観と悲観の両立は、成功された経営者の方の多くが指摘されている。ちょっと似ている気も、する?
●No.52/01.1.11







「中野区の
 小学生
 サッカー
 大会。」

昨夜の当社新年会の席上でテレビ不要論が飛び交った。低俗で物真似が横行する現状を変革できなければの話だが、お正月番組の見苦しさは目に余る。栗林が2時間観てしまったシティテレビ中野の小学生サッカーの試合に、新鮮さで優るキー局の企画がどれほどあったか。
●No.51/01.1.10







「新成人、
 各地で
 ご乱行。」

事件をとやかくは言わない。責任は学校と家庭教育にある。気になったのは新成人の仕業を「ご乱行」と名付けた日本経済新聞(本日朝刊)記者の言語感覚。揶揄の意図は理解できるが“常識を持った人が乱暴に及ぶ”意味の言葉を大人以下の人間に使ったのは軽率である。
●No.50/01.1.9







「君は誰
 ですか。」

サントリー恒例の成人の日広告における伊集院静の言葉。意図は分かるし成人の日にもぴったりだ。だが「家族も、学校も、職場も、仲間も皆ないものにして」なんて訴えが今の成人男女に届くとは思われない。それは、かつての帰属意識の強過ぎた世代にこそ有効である。
●No.49/01.1.8







「要求型
 民主主義の
 終焉。」

今日のサンデープロジェクトの石原・北川・浅野各知事の発言は久しぶりに爽快だった。北川正恭三重県知事のこの言葉は、従来の地元利益誘導型を否定し「アイデアがなければ政治家は務まらない」とするもので自民党幹部の旧態依然ぶりが改めて哀しく怖ろしくなった。
●No.48/01.1.7







「なりたい
 私。
 なりたい
 髪。」

昨日発売のノンノに「なりたい私にどうしたらなれる?」「今年こそ『なりたい髪』を手に入れる!」の見出し。「プラス思考で“なりたい私”を手に入れる」なんて本もあった。YAHOOで「なりたい」を検索すると31件のサイトが。でも、誰も「なりたい日本」が分からない。
●No.47/01.1.6







「グリーン
 スパン
 じいちゃん
 の
 お年玉。」

言うまでもなく今朝、公定歩合の再引き下げを実施した米連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン議長のことである。昨夜のワールドビジネスサテライトでは3日の引き下げをこう評した。なのに下げ止まらぬ東証株価。人ごとではないが、広告では何もできない。
●No.46/01.1.5







「空飛ぶ
 シビ
 ック。」

日経産業新聞本日朝刊「21世紀を勝ち抜く」における吉野本田技研社長の言葉。昨年、人間型ロボットを発表した本田は、86年から小型ジェット機開発に着手しているという。「やっぱりモノづくりにこだわりたい。」の言葉にも自信がのぞく。お正月の企業CMもよかった。
●No.45/01.1.4







「微生物が
 石油を
 つくる。」

日本経済新聞本日朝刊に、新種の微生物がもたらした静岡県・相良油田の話。発見者の京都大今中教授は「微生物の酵素を利用すれば農・産業廃棄物から石油ができるかもしれない。早ければ二十年後には工業化のメド」と言う。凡百の新世紀構想を凌ぐインパクトだった。
●No.44/01.1.3
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