「神経衰弱は
二十世紀の
共有病。」
という夏目漱石の言葉を日本経済新聞本日朝刊が紹介している。西洋と東洋の価値観の相克を危惧した漱石の正に慧眼である。西洋の文化文明に日本が順応する難しさを説いたわけだが、衣食住の表層はともかく、グランドデザイン上の洋と和の整合性はまだついていない。
●No.43/00.12.31
「21世紀の
すみれの
花は」
美しい音で咲かせたい。」(日本経済新聞本日朝刊)のキャッチで、我が愛するタカラヅカの新・東京宝塚劇場に設置されたPanasonicデジタルホール音響システムの広告。街並を見れば新世紀を前に新装したビルもちらほら。悲観も楽観もあるが、やはり期待したい21世紀である。
●No.42/00.12.30
「イスラーム
はヒジュラ
歴。」
当社の佳好ちゃんの趣味の一つは“イスラーム世界”(美人なのに変人)。昨夜、打上げの席で焼酎を飲みながら「イスラームはヒジュラ歴なので世紀末じゃないんですよ。」確かに調べると622年が元年なので世紀末はもっと先。信仰と現実の世界の整合はどこでつけるの?
●No.41/00.12.29
「さよなら
20世紀。」
こう題した朝日新聞本日朝刊の特集は「成長しなければ豊かになれないという思い込みを改めないと、日本経済が再び輝くことはないだろう」と訴える。いや、成長は人類の根源的欲求である。各々の持ち場で人々が為すべき事を為せば、成長を悪と決めつけることはない。
●No.40/00.12.28
「俺って、
忘れ物
多い
からな。」
昨夜のJR山手線で、いわゆるサラリーマン風の数人による会話。自己評価システムについて話していたのだが、日本の企業って、忘れ物とか遅刻を真剣に自己評価させているの? そう言えば、日本で見られるアンケートの質問事項の幼稚さを指摘していたアメリカ人もいた。
●No.39/00.12.27
「オブ・ジ・
イヤー。」
日本経済新聞本日朝刊に「モルガン・スタンレー・ディーン・ウィッター証券が『格付機関オブ・ジ・イヤー2000』」の記事。よくぞやったり外資系! 再三、指摘してきた恥ずべき日本の「○○○オブ・ザ・イヤー」賞関連の関係者の皆さま。世界が見てますよ、どうします?
●No.38/00.12.26
「同じレース
で走りたく
ない。」
昨日の有馬記念で四度、テイエムオペラオーの後塵を拝したメイショウドトウの安田康騎手(朝日新聞本日夕刊)。私もスピードシンボリの有馬二連覇以来、競馬歴30年だが、相手騎手にここまで言わせた馬はいなかった。強くてもあれほどタフな名馬がいなかったからだ。
●No.37/00.12.25
「き、
きみの
おかげ
だよ。」
神奈川県大和市、東急田園都市線「中央林間」駅にある自宅近くのレストランでXmasディナー。隣の席で初老の男性が、奥様の「27回目のクリスマスですよ。よく続きましたね」に応えて、口ごもりながら伝えた言葉。人間関係はすべからく初々しさが大切と感じ入った次第。
●No.36/00.12.23
「昨年同期比
32%
増加。」
日本経済新聞本日朝刊に「都内の今月19日までの急性アルコール中毒による救急搬送者数が昨年同期比32%増」の記事。都市生活のストレスか、不況の憂さ晴らしか、あるいは多方面で低下している人間の基本能力(この場合は自己管理力)か。明確な因果関係を知りたい。
●No.35/00.12.22
「逆境こそ
チャ
ンス。」
今夜の「にんげんドキュメント」は樋口広太郎氏。この言葉を指針に、守りと現状維持を嫌い常に前向きに生きてきたという74歳の氏の姿勢に感銘した。アサヒ再建に際し、全国の酒屋を歩き回りライバル社に教えを請うた行動力。「己が悪に憎しみを」という言葉も凄い。
●No.34/00.12.21
「猛烈に
勉強し
なさい。」
そして働きなさい。チャンスは必ずやって来る。」思いは必ずかないます。男女雇用機会均等法制定に尽力された赤松氏(昨夜の「プロジェクトX」)が自らのゼミの学生に語りかけている言葉だという。男女差別撤廃に動いた草創期の女性の計り知れぬ情熱に満ちている。
●No.33/00.12.20
「シート間は
122
センチ。」
朝日新聞本日夕刊に12日全線開通した大江戸線(東京都)のシート間122センチの記事。開通前にどれほどの利用者が知っていたか。建設費節約のためとはいえ乗客から苦痛の声が上がっているという。ペースメーカー利用者は乗車できないという情報も。乗ってみなければ。
●No.32/00.12.19
「インター
ネットを
利用して
いる。」
やれIT革命だの何だのと騒いでいても、中小企業に限れば都内1万2千社の22%、神奈川県下1千2社の48.7%、道内7百社の42.7%しかインターネットを利用していない。独自ドメイン取得の割合など遙か低率であろう。すべて本年度の調査である。未導入なら社長に直訴を。
●No.31/00.12.18
「町田市
環境部。」
資料提供でお世話になった方に印刷物をお送りしようと、住所の確認のため先方の封筒を見て驚いた。内側に宅配便のシールが貼ってある。つまり、送られてきた封筒を部で作り直してリサイクルされているのだ。リサイクル推進課の皆様の文字通りの努力に頭が下がった。
●No.30/00.12.15
「2時間かけ
て遊びに
来て
いいぞ。」
実際に学校を取材して感じるのは、マスコミで否定的に報じられる小学生たちの素直さだ。今夜の「にんげんドキュメント」は洞爺湖温泉小の子供たち。離れ離れになった同級生同志の、この手紙の言葉の純粋さはどうだ。つくづく親の問題の方が深刻、のような気がする。
●No.29/00.12.14
「ソニーは
ラジオ
ですよ。」
昨夜の「プロジェクトX」は、ソニーが欧米にトランジスタラジオの営業を始めた草創期を描いていた。カフェで「ソニーをください」と言い、ウエイトレスに「ソニーはラジオですよ」と答えてもらう夢。やがて認められ、その夢が現実になったエピソードに胸詰まった。
●No.28/00.12.13
「汗を
かかせて
もらう。」
永田町独特の言い回しの一つである。昨夜のNHKテレビのニュースによると、中尾栄一・元建設相は6千万の賄賂を受け「汗をかかなくては」と言ったとか。この言葉はまた、政権抗争で奔走した人物にも贈られる。政治家は選挙の時以外、国民のために汗をかかないらしい。
●No.27/00.12.12
「いらっ
しゃいませ
こんにち
は。」
ファーストフードで言われてさえ背筋が凍るのに、最近は飛び込み営業でさえ「はじめまして。こんにちは」と来る。この「こんにちは」の発音が奇妙なことに全く同じなのだ。自己完結しているだけで相手に向けられていないし、自分の言葉でもない。マニュアル恐ろし。
●No.26/00.12.11
「ストップ、
停止線
です。」
今日、スーパーオーゼキ中央林間店で、いわしの練製品の推販コーナーを通り過ぎようとして掛けられた声。思わず立ち止まると、試食を奨められ、つみれは味噌でと商品情報を提供され、気がつくとハンバーグとつみれを買っていた。これぞ広告の原点。夕食は鍋にした。
●No.25/00.12.09
「利他の
垂訓。」
他人のためを第一とする「利他」。この清々しき言葉を主題に綴られた日本経済新聞7日「交遊抄」の三浦山形銀行会長の文に胸熱くした。貧しい戦後に迎えた小学一年生時代、弁当を持てぬ子らに銀飯を配りし恩師の思い出。利己が闊歩する現代に、食への感謝すらなし。
●No.24/00.12.08
「試される
世紀。」
昨夜の「その時歴史が動いた」で天野祐吉氏は「21世紀は試される世紀」と述べた。無論、人類は歴史の上で試され続けてきたわけだが、他ならぬ人類自身から試されるだけの精神的忍耐力も、肉体的抵抗力も衰退しつつあるいま、その言葉は荷が重くなり過ぎた気もする。
●No.23/00.12.07
「風邪対策も
ITで。」
今朝の「はなまるマーケット」のレポーターの言葉。本当の意味は「風邪にも情報武装しなさい。」だったらそう言ってほしい。ついに単なるTVの情報コーナーにもITが使われだした。いまやITなるワードは「情報」と同意にさえなりつつある。言葉への鈍感さは恐ろしい。
●No.22/00.12.06
「iモードで
レポートを
送る。」
当社の栗林が某短大教授に取材した折に聞かされた話。その教授のクラスの生徒で、iモードでレポートを送る生徒がいるという。最大250文字だから、もちろん何回かに分けて送られてくるのだが、最後に一文にまとめるのは教授の役割だという。卒論はどうなるのだろう。
●No.21/00.12.04
「永久
凍土。」
今日のNHK第一放送「日曜ラジオマガジン」で、永久凍土(二冬以上経過の凍結土壌)から発掘したマンモスのクローンを作る話。“子供たちに夢と地球温暖化の警鐘を”と宣う学者は明らかに矛盾している。気温上昇で溶けた氷のお陰で太古を夢見る我々に未来はあるのか。
●No.20/00.12.03
「ちまちま
した
悪代官。」
今朝の日本経済新聞によると、亀井政調会長が発泡酒増税を検討中の大蔵省主税局長にそう言ったらしい。増税批判は同感だが、亀井さんに自責の念は皆無なのだろう。野中・青木・亀井らが“悪代官”と呼ばれているのをどう思っているのか。皮肉ではなく現実なのだが。
●No.19/00.12.01
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