最終更新日2002年10月分



「野球少年、
 野球
 小僧。」

涙をためながら紡ぎ出す言葉がどこまでも純粋に響いた、日本シリーズ優勝後の原監督のインタビュー。そんなピュアな姿は「アマチュア野球を指揮しているかのよう」と揶揄されもした。だが1年間、純粋を貫き頂点に立った。それは新たな“監督モデル”の誕生だった。
●No.536/02.10.31







「日本は
 約束を
 破った。」

という北朝鮮の言葉を掲載した朝日新聞本日朝刊。「原点には犯罪」が理由らしいが被害者の滞在期間延長は日本政府が無断で行ったことだ。弱腰小泉は金正日に犯罪だという視点で非難していないはずだ。交渉のテーブルに着くと決めた以上、日本はルールを守るべきだ。
●No.535/02.10.30







「自転車
 運転免許証
 制度。」

東京都荒川区が設けたこの制度を本日のはなまるマーケットで取りあげていた。最近、自転車の事故が急増し死亡事故も出ているとか。安全不確認・一時不停止・信号無視が事故の3大原因らしいが、頭脳に起因する注意力不足と精神から来るモラル欠如がここにも表れる。
●No.534/02.10.29







「ヤミ
 金融。」

出資法で定められている29.2%を遙かに越える金利で貸し出す業者をこう呼ぶが、最近にわかにマスコミを賑わしている。本日発売のサンデー毎日でも特集。1万円借りて1年後に740万円というケースもあるとか。国民が小泉支持を続ける限り、仕方がないことだ。
●No.533/02.10.28







「1人の死は
 悲劇だが、
 100万人の
 死は統計
 でしか
 ない。」

なるスターリの言葉を朝日新聞本日朝刊・天声人語が引用している。モスクワ文化宮殿劇場占拠事件の人質犠牲者にも哀しいかなそれが通用してしまう。「外国のテロ」を強調し過ぎのプーチン大統領の表情はいかにも苦しい。世界という大きな歯車も既に狂い出している。
●No.532/02.10.27







「金貸し。」
という言葉で都銀を表し「貸す先がない」との言い訳を「球を投げられない野球選手」と批判した日本経済新聞本日朝刊。竹中大臣の対策にご立派にも文句をつけている頭取達だが、これは開き直りとしか映らない。リストラが進んでいないのは店頭を見ただけでも分かる。
●No.531/02.10.26







「希望
 という
 言葉は
 教会で
 言う
 ように。」

終日、会社案内作成のため某外資系医薬品メーカーの研修を取材。この言葉は、社員の使命についてのワークショップで「会社の希望に沿って」と述べた事に対し日本支社長が指摘したもの。「希望とは相手とコミュニケーションしていない状態」。日本文化を衝いている。
●No.530/02.10.25







「移店。」
と書かれた貼り紙を、本欄で取りあげる前にいつの間にか「移転」に直していた東急電鉄「渋谷」駅構内の花屋さん。誰かに指摘されたのか、昔「MENEWはMENU ですよ」と教えた銀座の定食屋さんに「知ってます。あなたで3人目です」と言われたことを思い出す。
●No.529/02.10.24







「1000分
 の1ミリ
 単位の調整
 は機械では
 でき
 ない。」

本日深夜のBSニュースで技能五輪に懸ける若者達を紹介。21歳以下が条件とは知らなかった。この言葉はトヨタで“抜き型”に打ち込む若い技術者を紹介したコメント。「最後は人間」なる言葉が20歳の口から自然に出る。表情が渋谷の街を行く同世代と全く違った。
●No.528/02.10.23







「イング
 リット・
 ベタン
 クール。」

という名前を覚えておいてほしい。17日の本欄で紹介した書籍の著者で、誘拐され現在、行方不明になっているコロンビアの元大統領候補だ。不可能を可能に変えるご本人の情熱がほとばしる如き永田千奈氏の翻訳も素晴らしい。改めて日本の政治家たちの小ささを思う。
●No.527/02.10.22







「男には男の
 家事が
 ある。」
なる元通産相キャリア官僚の夫とベンチャー経営者の妻が著した書籍を本日発売のサンデー毎日が紹介。「衣類乾燥機を掃除したら乾燥時間が短縮され、男性にとっての家事を考えるきっかけになった」とか。昨日、久しぶりに料理を作った私も食器洗いは8割やっている。
●No.526/02.10.21







「きわめて
 マヌケな
 議員。」

と管直人・土井たか子両議員を表した安倍官房副長官(朝日新聞本日朝刊)。そんなこと言っている暇があったら、自分の核保有宣言をはっきりしろと言いたいし、拉致問題に限ればマツタケの疑惑すら曖昧なままだ。この人が首相候補という情けなさこそ日本そのものだ。
●No.525/02.10.20







「大間の鮪
 小柴の
 蝦蛄。」

地元・中央林間のお気に入りの寿司店で、今年の初値で200kg・2千万の値をつけ話題となった青森県大間の鮪と、神奈川県横浜・小柴の蝦蛄をいただく。大トロは脂身がくどくなく上品で、ほんのりとした甘さの蝦蛄も絶品。舌から頭脳まで刺激する醍醐味であった。
●No.524/02.10.19







「女子供。」
いまどき、こんな言葉を使うコラムニスト(とは思わないが)がいるのか。週刊新潮(10/24号)で読んだ林操氏のコラム(とは思わないが)。ノーベル賞の田中氏が会見で携帯電話に出た行為を「スレてなさ」というのもおかしい。気持ちが悪くなるほどの低レベル。
●No.523/02.10.18







「それでも
 私は
 腐敗と
 闘う。」

敬愛するアートディレクターの方から突然のメールでこの本(草思社)を昨日紹介され、今日会社近くの書店で買う。著者はコロンビアの上院議員で麻薬組織との闘いを描いた内容らしいが、本人はいま行方不明。「勇気をもらった」というこの本の1頁目を早速今日開く。
●No.522/02.10.17







「渋谷駅
 改良工事
 のため
 ホームが
 大変狭く
 なって
 おります
 ので、
 立ち止まら
 ないように
 お願い
 いたし
 ます。」

というアナウンスは私も毎日聞いている。これを無神経と一喝したのが岩見隆夫氏(サンデー毎日10/27号)。「電車が着く前に流すな」が理由だが、乗降の際以外にもホームで立ち止まる人は多く通行に迷惑だ。無神経には違いないが、別の効果を氏は見逃している。
●No.521/02.10.16







「銀座
 アキュ
 イユ。」

銀座をあげて行う催事を昨年からこう勝手に呼ぶ。仏語で“銀座がおもてなし致します”なる意らしいが、広告的には分かるものの胡散臭い。「おもてなし」とは、心を込めた歓待を示すが、そんな振る舞いを参加全店の社員にせよというのは今の世の中無理があると思う。
●No.520/02.10.15







「さらに
 離される
 こと。」

と1位の選手に言う実況がどこにある。本日の出雲全日本大学選抜駅伝・4区の神奈川大学と2位グループの差を比較した際の言葉。しかし言い直さない。最早これはアナウンサーではない。フジテレビの実況は素人臭く、画面で表示する各校順位の速報にも疑問符が付く。
●No.519/02.10.14







「となりの
 ハム盛り
 合わせ。」

近所に6月頃出来て気になっていたカフェに行く。お隣は町内で評判のドイツハム・ソーセージの店で、このメニュー名となったらしい。トルティーヤ・野菜たっぷりグラタン・オープンサンドに真昼間からベルギービール。太陽と緑の下でのランチ、これも幸福のひとつ。
●No.518/02.10.13







「人がいない
 から
 小泉さんが
 やって
 いる。」

と、参院千葉補選での75歳の有権者(朝日新聞本日朝刊)。この他「実行が伴っていない」「具体的な話はなかった」「何を考えているのか分からない」と否定的な声が多かったが、私はこの気持ちをストレートに選挙で出してほしいと思う。小泉は、日本の損失だから。
●No.517/02.10.12







「たいした
 ことがない
 技術でも
 英語で
 話されると
 すごい
 技術に  
 聞こえて
 くる。」

つまり「イギリスの研究者は自信を持っている」と、ノーベル化学賞受賞の田中耕一さん(朝日新聞本日朝刊)。日本人の技術者が自らの研究に自信を持てない理由として「できないところを気にするような教育」と批判。文科省の勘違い役人達の前で講演してもらいたい。
●No.516/02.10.11







「お手
 ふり。」

フラウ(10/22号)「美人のディテール」で齋藤薫氏は、愛子さまが手を振られることを意味するこの言葉を紹介。そこに「人を見たら笑顔になることの偉大さを読みとるべき」と言う。「人を疑わず恐れない心が生む笑顔」の尊さ。でも大人の“美人さん”にできる?
●No.515/02.10.10







「1974年
 生まれ。」

北野武氏の生年月日に誤植(日経エンタテインメント!11月号)。ちなみに私と同い年の56年生まれは桑田佳祐、秋元康、田中康夫、メル・ギブソン、トム・ハンクス、島田紳助、小堺一機、役所広司、鈴木雅之、野口五郎、田中好子、浅田美代子、幸田シャーミンら。
●No.514/02.10.9







「姪甥カタル
 シス。」

アエラ(10/14号)で、姪や甥を溺愛するDINKSやシングルについて特集している。実は私自身も感じていたことだ。帰省時や正月、冠婚葬祭等でしか叔父や叔母に会わなかった私には進じ難いことだ。人の勝手と言われればそれまでだが、何か精神の闇を感じる。
●No.513/02.10.8







「ファイン
 モー
 ション。」

という牝馬ついて井崎脩五郎氏が激賞している(サンデー毎日10/20号)。いい名前だ。人気馬が出ず見当違いのCMのお陰で(そもそも競馬のCMに動員力はないが)停滞していた競馬界に朗報。アグネスタキオンをはじめ、名だたる名馬より速い新馬の時計。注目。
●No.512/02.10.7







「彼女が息を
 引き取る
 ところ 
 までは
 ずーと
 そばに
 いた。」
週刊文春(10/10号)で永六輔氏が伴侶を亡くした際の状況を述べている。旅ばかりしていたご本人が「仕事と旅は全部やめて」奥様と話し、笑って死去までを過ごした。永氏の愛も深いが「私は三ヶ月で死ぬから」と言い、葬式や墓の希望を伝えたという奥様も凄い。
●No.511/02.10.6







「十月が
 頬を
 染めて。」

なる北原白秋の詩が、シクラメンのかおりの「季節が頬を染めて」という詞の発想の根拠だったと小椋佳氏(素顔が一番!)。「清(すが)しい」も同様とか。作詞という行為がそのような方法を取って行われることに興味を覚えた。コピーも、時に似たような手段を取る。
●No.510/02.10.5







「命縮む
 で。」

本日の田園都市線・渋谷駅23時発の急行で60歳代と思われる夫婦のご主人がため息をつきながら呟いた。痴漢の冤罪が話題となっているが、電車の混雑緩和が先決だという意見もある。私は日本人の質並びにマナーの低下と醜さを見たくないので、職住接近を検討中だ。
●No.509/02.10.4







「株は
 高い方が
 いい
 から。」

と本日深夜のニュース番組で小泉首相。先日まで「株価には一喜一憂しない」と言っていたご本人がどうしたことだろう。経済政策には不協和音ばかりが聞こえてくる自民党。なぜこの人の支持率は訪朝だけでこんなに上がるのか? 首相を続けていていい人ではないはずだ。
●No.508/02.10.3







「うわぁ〜
 あぁ〜
 つぅ。」

これは本日のJR山手線車内で聞いた若いサラリーマンの言葉。台風一過の東京は確かに暑かったが、この言い方に含まれた怠惰な響きが見苦しかった。「最近のサラリーマンは目標がなくボーと歩いている感じがする」と某社社長。この時、私の感じたものも同じだった。
●No.507/02.10.2







「中途半端に
 古いもの
 って
 いちばん
 カッコ
 悪い。」

と山田詠美氏(グラツィア11月号)。「ワールドカップの時、ワイドショーの中年コメンテイターが何度も『イケメン』って使っていて、みっともないと思った。」なぜこんな人物が発言するのか、テレビは。「空気が読めないのがバカ」と言ったのは仲畑貴志氏だった。
●No.506/02.10.1


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