(2008年7月 記)
再開発はまだ途上だが、昨年までの数字を見ても五反田エリアのパワーアップは明らかだ。JR東日本の統計によると2004年の1日平均乗車人員数が124,967人でJR東日本エリア内23位だった「五反田」駅は、その後確実に人数を増やし2007年は134,324人で22位に浮上している。ちなみに同データにおける04→07年の「五反田」駅の増加率7.5%は、1日平均乗車人員数1位の「新宿」駅の5.9%、2位「池袋」駅の5.2%、3位「渋谷」駅の6.0%をいずれも上回り、都内でも顕著な利用客増が続いている。
さらに2008年は“五反田の変”効果が加わる。前述の周辺企業の事例に、新たな有名企業が加わる可能性も今後はありそうだ。
(2009年10月 追記)
と書いた2008年の1日平均乗車人員数は134,512人。04年比の増加率は7.6%にアップし増加傾向は続いている。ちなみにエリア内の順位はやはり22位。情報誌的には知名度上位の「恵比寿」駅にあと104人に迫っている(2009年10月)。
(2011年10月 追記)
こうして増加傾向が続いた「五反田」駅の1日平均乗車人員数は、2009年が132,176人、2010年が129,154人と、ほぼ06年(129,354人)の水準にまで落ち込んでいる。
実際のところ、その理由は分からない。一つの仮説として、05年に始まる日本の人口減少傾向が挙げられるが、山手線の全ての駅の乗車人員数が減少しているわけではないのだ。ちなみにJR東日本による1日平均の乗車人員数上位10駅の06年と10年の数値を比較したのが次の表である。※()内は対06年比の%
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2006年 |
2010年 |
1.新宿 |
757,013 |
736,715( 97) |
2.池袋 |
570,650 |
544,222( 95) |
3.渋谷 |
430,675 |
403,277( 94) |
4.横浜 |
391,185 |
398,052(102) |
5.東京 |
382,242 |
381,704( 99.9) |
6.品川 |
308,681 |
321,711(104) |
7.新橋 |
240,512 |
244,916(102) |
8.大宮 |
233,719 |
235,151(101) |
9.秋葉原 |
200,025 |
226,646(113) |
10.高田馬場 |
203,781 |
202,396( 99) |
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22.五反田 |
129,354 |
129,154(99.8) |
06年と10年の比較で乗車人員数が減少しているのは、新宿・池袋・渋谷・東京・高田馬場の5駅に止まる(+五反田)。他駅のなかで特に秋葉原は、周辺エリアのイメージづくりが功を奏したか2桁の増加をみせた。したがって日本の人口減少傾向は鉄道会社にとって深刻なテーマではあるものの、現時点ではまだ直接的な影響を与えていない。
各駅の増減の原因を探るまでの余裕は残念ながらないが、しかし減少している駅にはそれなりの理由があるように思える。駅周辺の再開発の多寡や接続する私鉄沿線エリアの動向など要因は考えられるが、「五反田」駅の減少傾向はこのまま続くのか、歯止めがかかるのか、その変化の原因は何なのか。しばらくは推移を見守りたい。