サロン・ド・テ・ロザージュのサービス品質。
箱根の芦ノ湖畔にある「山のホテル」に併設された
「サロン・ド・テ・ロザージュ」を訪れた。
箱根神社に参拝し、暑いなか木陰の道を歩いてドアを開ける。
すると、店長でもあるギャルソンが、入口からあふれ出すような
満面以上の笑みを浮かべて迎えてくれた。
注文したアフタヌーンティセットでは、
サンドイッチやキッシュなどの繊細な味わいと香りを堪能し、
ロイヤルミルクティーの贅沢なまろやかさに心ゆくまでひたった。
会話まで輝くような時間が過ぎて、
お礼を述べて支払いを済ませると、
そのまま2階にあるショップに入った。
ロイヤルミルクティーで使われた茶葉を買いたくて妻が訊ねると
またも同じギャルソンが階段を上がってきた。そして、
店舗で出される茶葉との製法の違いや、淹れ方まで丁寧に教えてくれた。
紅茶を提供しているのだから茶葉の知識があるのは当然かもしれない。
しかし、私はそこに単なる知識を越えた洗練を見た。
「おもてなし」という言葉をよく見聞きするが、
サービスの基本である、気持ちのいい笑顔にさえ、出合う機会は稀だ。
紅茶を買い求めた後の、その日一日の気分がよかったのは言うまでもない。